充液式圧力計のトラブルシューティング

充液式圧力計はどのような用途に適している?
充液式圧力計でよく発生する不具合と対処方法を、SJ Gaugeがわかりやすく解説します。

充液式圧力計は、ケース内部にグリセリンやシリコーンオイルなどの液体を封入した圧力計です。充填液が可動部を潤滑するとともに、振動や圧力脈動による指針の振れを抑えるため、読み取りやすさと耐久性の向上に役立ちます。射出成形機、コンプレッサ、ポンプなど、振動や脈動が生じる設備に適しています。

通常の使用条件では充填液が漏れることは多くありません。漏れが見られる場合は、発生箇所と原因を確認してください。

封液栓から漏れている場合

  • 封液栓の取付けが不十分、または密封状態が不良の可能性があります。圧力を抜いて安全を確保したうえで栓を正しく取り付け、吸水紙などで漏れの有無を確認してください。
  • 封液栓の硬化、弾性低下、亀裂などが確認された場合は、適合する新品に交換してください。
  • ケースの変形や衝撃痕など大きな損傷がある場合は、使用を中止し、メーカーまたは販売元へ修理・交換を依頼してください。

ケースから漏れている場合

  • ケースの組付けやシール不良が疑われる場合は、使用を中止し、メーカーまたは販売元へ点検・修理を依頼してください。
  • 衝撃や落下などの外的要因でケースが損傷している場合は、交換を推奨します。
  • 製品に起因する不具合が疑われる場合は、メーカーまたは販売元へ連絡してください。

充填液には主にグリセリン水溶液とシリコーンオイルが使用されます。グリセリン系は一般的で経済性に優れますが、低温では粘度が上昇し、条件によっては結晶化することがあります。シリコーンオイルは低温特性に優れるため、低温環境での使用に適しています。選定時は、周囲温度、必要な応答性、媒体や周辺材料との適合性を確認してください。

一般的な充填率はケース容積の約80%ですが、製品仕様によって異なります。ケース内には温度変化による液体の膨張を吸収する空間が必要なため、完全に満たすものではありません。漏れや著しい液量低下がなく、可動部が十分に浸されていることを確認し、規定量を下回る場合は点検・補充してください。

充填液が黄変して視認性が低下している場合は、そのまま使用せず、原因を確認してください。変色や濁りが進むと、目盛や指針が読み取りにくくなります。

充填液が黄変する主な原因

  • 長時間にわたる直射日光への曝露
  • 高温環境での使用
  • 充填液の劣化・汚染
  • ブルドン管や溶接部に残った汚れ
  • 文字板・指針の塗膜や印刷の劣化

充填液の交換や再充填は、製品の構造、使用液、密封方法を確認したうえで行う必要があります。自己判断で分解せず、メーカーまたは販売元へ点検を依頼してください。充填液を抜いて使用する場合も、製品仕様と使用環境への適合性を確認してください。

指針がゼロに戻らない主な原因

  • ケース内外の圧力差によりゼロ点がずれることがあります。設置後、封液栓のベントを開放してケース内圧を大気圧と同じにし、指針がゼロに戻るか確認してください。ベント操作は製品の取扱説明に従ってください。
  • 衝撃や過圧などにより、指針、リンク機構、ブルドン管などが損傷している可能性があります。
  • 使用温度範囲を超える高温により、ブルドン管や内部機構が変形し、ゼロ点ずれや指示誤差が生じることがあります。

充液式圧力計は、振動や脈動のある設備で安定した読み取りに役立ちます。不具合が見られる場合は、漏れ、充填液の状態、ゼロ点、使用温度、過圧や衝撃の有無を確認し、必要に応じて使用を中止して点検・交換してください。

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