圧力計が故障する主な6つの原因

圧力計の故障を防ぐには、故障の兆候と使用条件を正しく把握することが重要です。本記事では、圧力計が故障する主な6つの原因と、それぞれの確認ポイント・対策を解説します。

不具合が発生した場合は、安全を確保したうえで使用を中止し、設置条件と症状を確認してください。原因の判断が難しい場合は、測定媒体、圧力範囲、温度、振動・脈動の有無をお知らせのうえ、SJ Gaugeまでお問い合わせください。

圧力計の故障は、過圧、脈動、振動、温度、腐食、詰まり、不適切な取付けなど、さまざまな要因で発生します。機器の仕様と使用条件を確認し、適切な設置・保守を行うことで、多くの不具合を予防できます。関連規格については、ASME B40.100およびEN 837-1の最新版をご確認ください。

(関連情報: ASME B40.100-2013 圧力計および圧力計アタッチメント)
(関連情報: DIN EN 837-1:1997 圧力計 – 第1部:ブルドン管式圧力計 – 寸法、計測、要求事項および試験)

2-1. 過度の振動・脈動

脈動は、指針の振れや読み取り精度の低下を引き起こします。

主な原因

設備振動や急激な圧力変動は、指針の振れ、内部機構の摩耗、ブルドン管への繰返し応力を引き起こします。圧力サージや脈動が続くと、読み取りが不安定になり、指針、ストップピン、リンク機構などを損傷するおそれがあります。

対策

振動源から離して設置する場合は、PRA-CLキャピラリを使用できます。脈動がある場合は、充液式圧力計やPRA-SBスナバなどを用いて圧力変動を減衰させます。必要な応答性と媒体条件に応じて、絞りの仕様を選定してください。

(関連情報: 圧力計用PRA-CLキャピラリーチューブ)
(関連情報: PRA-SB圧力スナバー)

2-2. 使用温度範囲外

流体温度が高すぎる場合、ブルドン管が破裂し、蒸気がベントホールから噴出する恐れがあります。

主な原因

周囲温度または測定媒体温度が圧力計の仕様範囲を外れると、弾性素子、シール、窓、充填液などに影響し、指示誤差、漏れ、応答遅れ、部品の劣化を招くことがあります。高温媒体ではブルドン管や接続部の損傷、低温では充填液の粘度上昇や凍結にも注意が必要です。

対策

周囲温度は、換気、空調、保温などによって製品の使用温度範囲内に保ちます。蒸気や高温媒体にはPRA-SPサイフォン管、PRA-C冷却エレメント、キャピラリなどを使用し、圧力計本体へ伝わる温度を低減します。低温環境では、媒体の凍結や結露を考慮し、必要に応じて保温・ヒートトレースを検討してください。

(関連情報: PRA-SP ステンレス製サイフォンチューブ)
(関連情報: PRA-C 圧力計器用冷却エレメント)

2-3. 圧力スパイク・過圧

過圧によりブルドン管が変形する

主な原因

圧力スパイクや過圧は、設備の異常、媒体の凍結、バルブの急開閉などによって発生します。圧力が測定範囲または許容過圧を超えると、ブルドン管の永久変形、指針ずれ、内部機構の損傷、漏れや破裂につながるおそれがあります。

対策

瞬間的な圧力スパイクや脈動には、スナバなどの絞り機構を使用します。持続的な過圧には過圧保護装置を検討し、設定圧力は圧力計の測定範囲と許容過圧、運転条件に基づいて決定してください。常用圧力や最大運転圧力がレンジを超える場合は、適切な測定範囲の圧力計へ変更する必要があります。

(関連情報: PRA-SB圧力スナバ

2-4. 接液部・導圧部の詰まり

ダイヤフラムシールを取り付けることで、プロセス媒体とブルドン管との直接接触を防ぎ、目詰まりのリスクを効果的に排除できます。

主な原因

結晶化しやすい媒体、固形分や不純物を含む媒体、高粘度媒体では、導圧孔やブルドン管が詰まり、応答遅れや指示停止が発生することがあります。

対策

媒体と使用条件に応じて、フィルタ、フラッシング接続、ダイアフラムシールなどを使用し、接液部や導圧部への堆積・侵入を抑えます。ダイアフラムシールを使用する場合は、封入液、温度、圧力レンジによる測定特性への影響も確認してください。

(関連情報: 圧力計にダイアフラムシールが必要な使用条件)
(関連情報: ダイヤフラムシール)

2-5. 接液部の腐食

金属ケースは強アルカリ性または酸性環境では腐食する。

主な原因

腐食性媒体では、接液部材質が適合していないと、ブルドン管や接続部が腐食し、指示不良や漏れが発生するおそれがあります。材質の適合性は、媒体の種類だけでなく、濃度、温度、圧力、混合物の有無によっても変わります。

対策

測定媒体に適合する接液部材質を選び、必要に応じてダイアフラムシールを使用します。ダイアフラム材質、ガスケット、封入液を含むすべての接液部について、使用条件との適合性を確認してください。

(関連情報: ダイヤフラムシール)

2-6. 不適切な取付け・取扱い

ノギスを使用して、ねじのサイズを測定する。

主な原因

ねじ規格やサイズの不一致、斜めねじ込み、過大な締付け、ケースをつかんでの取付けは、ねじ損傷、漏れ、内部機構への応力、指示ずれの原因になります。

対策

取付け前に、ねじ規格、サイズ、平行・テーパの種類、シール方法を確認してください。締付け時は圧力計ケースではなく接続部の二面幅に適切なスパナを掛け、製品指定の取付方法と締付条件に従います。圧力計を配管支持や足場として使用しないでください。

(関連情報: 産業用計測機器でよく使われるねじ規格:ねじ仕様を見分ける4つのステップ)

定期点検では、取付状態、接続部の漏れ、ゼロ点、指針の動き、ケース・窓・接液部の腐食、振動・脈動の状態を確認します。校正周期は、用途の重要度、使用頻度、環境条件、社内基準に基づいて設定してください。異常が認められた場合は使用を中止し、修理または交換を検討します。

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